地球温暖化を考えるうえで、始まりとされる京都議定書。これなくしては、環境問題を語ることは出来ません。
しかし、みなさんは京都議定書とはなにか説明できますか?
私は出来ませんでした。
そして今回ネットを中心に調べたのですが、そこで思ったことは
「とにかく分かりにくい記事が多い!」
環境問題や地球温暖化の記事は、小難しいものが多く、私のような環境問題初心者には理解できないものが多いのです。
そこで今回は京都議定書について分かりやすく紹介していきたいと思います。
私は英語が読めることから、海外のサイトからも情報を収集しているので、日本のサイトにはまったく載っていなかった情報もあります(かなり衝撃)。
この記事を読むと…
・京都議定書とはなにか説明できるようになる
・京都議定書が成功か失敗か意見を持てるようになる
・パリ協定についても知りたくなる
それではさっそく見ていきましょう。
「分かりやすくおしえて」京都議定書とは?
「京都議定書」とは地球温暖化の原因になっている、二酸化炭素(CO2)やメタンなど6種類の温室効果ガスを減らすための国際条約です。
1997年12月、約160か国が参加して京都で開催された「地球温暖化防止京都会議(COP3)」で採択されました。
「温室効果ガスを2008年から2012年の間に、1990年比で約5.2%削減すること」
ということを先進国全体に対して要求し、日本は6%削減することを目標に掲げました。
・始まりは…
もともとは1992年にブラジルで行われた「地球サミット」で定められた温暖化対策の条約「気候変動枠組条約」が始まりです。
しかし、この「気候変動枠組条約」は概念的な内容が多く、具体的な策が決められていないことが問題でした。
そこで、「気候変動枠組条約」に基づき、具体的なルールや目標を決めたのが「京都議定書」になります。
・なにが重要なの?
この京都議定書が環境問題を語るうえで欠かせないと言われる理由は、「国際社会が協力して温暖化に取り組む、世界で初めての約束」であるからです。
・達成できなかったらどうなるの?
そして削減目標を達成できなかった国には、罰則が適用されることになっています。
気になる3つのなぜ?について
なぜ京都?
日本が議定書や法的文書を採択するとあらかじめ決めっていたCOP3の、開催地として名乗りを上げ意思表明をしたからです。
偶然、京都になったのではなく、新たな議定書が採択されることを知った前提で名乗りを上げたことで、京都議定書という名前になりました。
なぜ1990年?
1990年というのはIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が第一報告書を提出した年であり、環境問題を考えるうえでひとつのポイントとして考えられているからです。
しかしこれは、表向きな理由とされていて実際はEUにとって都合の良い年だからとも言われています。
1990年はEUにとって温室効果ガス排出量が最大の年でした。
その年を基準にすることで、EUにとって削減目標の結果が出やすくなるなるのです。
という、説も有力です。
なぜ5.2%?なぜ6%?
なぜこの数字なのでしょうか。
しかし残念ながら、今現在この数字を決定した理由となる資料を発見することができませんでした。
すみません。。。見つけ次第追加します。
目標に向けた日本の取り組みについて
国土交通省より京都議定書の目標達成に向けた取り組みが公表されています。
一部抜粋しますと、
・交通機関の利用促進
→ICカードの導入、交通機関の整備
・低公害車の普及、ハイブリッドカーの普及支援
→自動車グリーン税の導入
・都市緑化の推進
→ヒートアイランド対策による環境改善
そういえばあの頃…と思えるような政策がありますが、京都議定書の目標達成が関係していたことが分かりました。
京都議定書は成功?失敗?~日本の達成結果について~
はたして日本は削減目標であった6%を達成することが出来たのでしょうか。
結果は、目標達成です。
日本は、-8.4%と目標の-6%を達成したと公表しています。
EUは-8%の目標に対して12.2%と大きく達成しており、個別に発表したドイツは-21%という大きな目標に対して-23.6%と大幅削減を達成しています。
全ての国が目標達成しており、この京都議定書というのは大成功であるように一見見えるかもしれません。
しかし興味深い資料を海外のサイトから発見してしまいました。
そこには1991年、ソ連崩壊が大きく関係していると言われます。
ソ連崩壊後、ロシアやウクライナなどの新独立国では、重工業が急速に衰退しました。
特にロシアとウクライナはこのグループの二大エネルギー消費国です。
つまりこの二国を中心に、エネルギーの消費が急激に減ったことが、温室効果ガスの削減に大きく貢献しただけだというのです。
それを示すグラフが以下のものです。
ロシアとウクライナ等の国以外の、国ではなんと2.7%しか削減されていないことを示してします。
こういったことから、一概に「京都議定書は成功だった」とは言えず、失敗説も多く流れる理由となっています。
京都議定書の問題点はなに?
なにかと物議を醸している印象のある京都議定書ですが、なにが問題点となっているのでしょうか。
・先進国のみへの要求
京都議定書の大きなとしては先進国にのみ削減目標を要求しているという点でしょう。
当時、先進国に含まれていなかった中国やインドはその後、急激な経済発展を遂げました。
しかしその発展の裏には、環境へのダメージを考えずに産業を発展させており、地球環境に多大な影響を与えたとされています。
このことから、アメリカなどの先進国は不公平だと主張し離脱を表明しました。
環境問題を考えるうえで、国の経済発展は重要なファクターであり、特に地球環境を考えた発展途上国の経済発展は、いまも大きな課題となっています。
そしてこの問題はパリ協定へと引き継がれました。
まとめ
結局、京都議定書は成功だったの?失敗だったの?
この問いは議論が分かれるところであり、どちらでもあると言えるのが正直なところだと思います。
実際、京都議定書の基準年1990年と比較して、今現在温室効果ガスの排出量は増加しています。
しかし、もし京都議定書のような取り決めがなかったら、より排出量が増えていたことも間違いないでしょう。
したがって、私が考える京都議定書の意義はやはり、
「国際社会が協力して温暖化に取り組む、世界で初めての約束」
です。
大切なことはここから先、私たちがどう取り組んでいくかです。
この京都議定書の問題はパリ協定に引き継がれました。
そこで次はパリ協定について見ていければと思います。
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