前回イギリス小さななフットボールクラブForest green rovers FCについて紹介し、サッカーチームが環境問題に対して貢献できることを見ていきました。
そこで今回はJリーグ(J1)に所属する全チームの環境問題に対する取り組みについて調べましたので紹介していきます。
△注意点△
今回のリサーチは公平性と活動の見つけやすさ(露出性)から、各チームのホームページから見つけられたもののみの紹介となります。
つまりJ1に所属する20チーム全部のホームページをチェックしました。。。
それでは早速見ていきましょう。
シャレンとは
その前にJリーグ掲げている社会連携活動、名付けて「シャレン」について紹介させてください。
シャレンとは「世界でいちばん地域を愛するプロサッカーリーグになりたい」という想いから、社会課題や共通のテーマにJリーグのチームと自治体が取り組む活動のことです。
そのうちのひとつ、「クラブと共に取り組む環境活動」
ここが環境問題に関わってきます。
特にサッカーの試合運営は環境というテーマにとても密接に関わっています。
スタジアム内で消費される飲食容器やごみの問題を中心に活動を呼びかけているようです。
クラブ紹介
ベガルタ仙台
「ユアテックスタジアム仙台を日本一きれいなスタジアムに!」
という趣旨のもと、ベガルタ仙台・ボランティア・市民団体・企業・そしてお客様が一体となり、ユアテックスタジアム仙台から発生するゴミの削減、並びに資源節約を目指すプロジェクト活動をしています。
〇具体的な活動〇
・ユアテックスタジアム仙台ごみ持ち帰り運動
ごみを持ち帰ってもらうことで、ごみの削減・資源の保全だけでなくスタジアムでのごみ処理費減少も狙えます。
・オリジナルタンブラー
タンブラーの使用により紙コップの利用抑制を図っています。タンブラーを使用するとビール50円引き。
・エコバッグの販売
レジ袋の使用抑制・ごみ持ち帰り励行によりごみ削減に繋げます。
・エコステーションマップ
スタジアムのどこにエコステーションがあるか確認できるようになっています。
浦和レッズ
ハートフルという愛称のもと社会貢献活動を積極的に行っている浦和レッズ。
令和3年に「埼玉県SDGsパートナー」として登録されたことがホームページにて確認できました。
しかし、具体的な活動報告は確認できず。
FC東京
2017年シーズンより始動した「ECOバスプロジェクトin味スタ」という活動を確認できました。
この活動により18,090kgのペットボトルをリサイクルすることが出来ました。
〇具体的な活動〇
・リサイクルの促進活動
・ペットボトルの回収状況の見える化
スタジアム内のボール置台にて回収状況を確認できるようになっています。
写真
柏レイソル
「スタジアムの建築物環境性能・地球温暖化への配慮、設備のシステム効率化」で高評価を得ています。
〇具体的な活動〇
・試合時排出ごみの分別処理
・カーボンオフセット事業
2016年に柏市と共同で試合の証明などから排出されるCO2量を、エコサポーター(協賛家庭)が3-8月で削減したCO2量で差し引き0にするオフセット試合を開催した。
・COOL CHOICEマッチ
2017年に国が提唱している地球温暖化運動「COOL CHOICE(賢い選択)」に賛同し柏市と共同で、地球温暖化対策を推進することを宣言しました。
啓発事業として、キックオフイベントを実施。
※【COOL CHOICE(賢い選択)とは?】
日本の2030年度の温室効果ガスの排出量を2013年度比で26パーセント削減するという目標達成のために、省エネ・低炭素型の製品・サービス・ライフスタイルなど、地球温暖化対策に資するあらゆる「賢い選択」をしていこうという取り組みです。
清水エスパルス
エスパルスは「地球にやさしいサッカークラブであるために。次世代に快適にサッカーのできる環境を引き継いでいくために。」をコンセプトに掲げ、ホームゲーム開催により排出される二酸化炭素を相殺する「カーボン・オフセットクラブ化」を日本のプロスポーツ界で初めて宣言しました。
CSR活動のひとつとして、「エスパルス・エコチャレンジ」をスタートしました。
〇具体的な活動〇
・校庭・園庭芝生化
・紙コップの分別回収
・COOL CHOICE啓発活動の継続と発展
・PULCLE
2020年に静岡市シェアサイクル事業にブランド協力し、Jリーグ初のクラブ公認シェアサイクル「PULCLE」をスタート
名古屋グランパス
個人的に印象的だったのが名古屋グランパスです。
ホームページにSDGsという項目を設定していて、とても見つけやすかったです。
そんなグランパスはSDGsの項目に沿ってそれぞれの活動を実施しています。
〇具体的な活動〇
・試合会場での啓発活動やイベントの開催
・エコステーションの実施
・携帯電話のリサイクル活動
リネットジャパングループ株式会社と「グランパスくんのパソコン・リサイクル2020」を実施
・エッグプランターの展示会を実施
県立猿投農林高校「捨てるを活かすプロジェクト」の学生が作った、エッグプランター(多肉植物・ポプリ)の展示を名古屋グランパスのホームゲーム開催時に豊田スタジアムで実施しました。
4月22日のアースデイ(地球を考える日)の取り組みとして、校内で生産されて捨てられるはずだった卵の殻・廃材を活かしてつくられています。
ガンバ大阪
帝人フロンティア株式会社と協力しスタジアムで発生する使用済みペットボトルのリサイクル活動を行っています。
〇具体的な活動〇
・ペットボトル回収
ガンバ大阪 エコ活動パートナーである「追手門学院大学経営学部水野浩児ゼミの学生」がスタジアムの内外に設置された回収場所において、回収と分別の協力を呼び掛けると共に、リサイクルしやすくするために、キャップを外したり、飲み残しを破棄するなどの作業を行います。
徳島ヴォルティス
徳島ヴォルティスはホームページにて観戦ガイドを設け、「エコスタジアム」を掲げていること、ごみの分別について紹介しています。
他チームのホームページと比較して、とても分かりやすく案内されていたのが特徴です。
具体的な活動
・エコステーション
ホームゲーム開催時にエコステーションを設置
番外編:LEADS TO THE OCEAN
LEADS TO THE OCEANとは、海につづくプロジェクトとして、スポーツと清掃活動を軸に、新たなアプローチで海の環境問題に取り組むプロジェクトです。
プロジェクトの取り組み
・大型ビジョン放映
・試合終了後のごみ拾い
・環境にやさしいごみ袋
・チームカラーのオリジナルトング
・ごみ拾いマスターの表彰式
このプロジェクトに多くのチームが参画していましたので紹介します。
・湘南ベルマーレ
・セレッソ大阪
・横浜F・マリノス
・川崎フロンターレ
・横浜FC
・大分トリニータ
まとめ
今回全チームの活動をみてそれぞれのチームが環境問題に取り組んでいることが分かりました。
しかし正直な感想としてはまったく足りていないと思いました。
特にメディアへの露出性という点ではまだまだだと思いました。
おそらく検索の仕方次第ではもっと沢山の活動が確認できたと思います。
しかし、見ている人や調べる人に届かないとその活動が知られることがないのです。
プロサッカークラブという影響力を最大限発揮するためにも、環境問題への活動とともに発信も積極的に行ってもらえたら、よりサッカーの魅力は増すのではないでしょうか。
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