ゼロから分かる!「なにがすごいのパリ協定」

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あなたはパリ協定について説明することが出来ますか?

・パリ協定について知っておきたい
・パリ協定って難しそうで理解できない
・なぜトランプ大統領は離脱したの

これらの悩みを抱えている読者のために今回は、パリ協定について分かりやすく説明していきます。

この記事を読むと

・パリ協定がなにか説明できる
・パリ協定がなんですごいのか友達に説明できます
・話題のトランプ大統領やグレタさんのニュースが分かるようになる

私は、昨日まで京都議定書とパリ協定の違いすらよく分かっていませんでした。

そんな私でも調べていくうちに、簡単に理解できるようになりました。

そして自ら調べたことで、

・むずかしい記事が多い

ということを誰よりも痛感しています。

なのでこの記事は、ゼロから分かりやすくパリ協定を理解できる記事になっています。

やはり、

パリ協定を知らなければ、地球温暖化を語ることは出来ません。なぜならパリ協定というのは脱炭素社会を目指すための国際社会初の協定だからです。つまり、ここから脱炭素社会への道のりが始まったと言っても過言ではありません。

そんはパリ協定について今回の記事で、しっかり理解していきましょう。

ゼロから分かる!「なにがすごいのパリ協定」

パリ協定とは2020年以降の気候変動問題に関する、国際的な枠組みです。

2015年パリで開かれたCOP21で成立しました。

目標は「世界の平均気温上昇を産業革命以前と比べて、2℃より十分に低く保ち、1.5℃に抑える努力をする。」

つまり、脱炭素社会を目指すということです。

発行までの流れ

実は協定というのは成立をして、「ハイ開始」というものでは、ありません。

実質的に効力をもつ発行にまで辿り着かなくてはなりません。

2015年12月 COP21パリにてパリ協定成立

2016年11月 発行

発行するための条件が以下のものでした。

  • 55か国以上の参加
  • 世界の温室効果ガス総排出量のうち86%をカバーする国々が批准すること

ちなみにこの成立から発行までが1年以内にというのは極めて珍しいことで、初めてに近い事例だそうです。

このことからも、いかに世界中の国々が地球温暖化に対して危機感を抱いているかが読み取れます。

何がすごいの?

パリ協定が画期的である点は主に3つです。

1.温室効果ガス0を目指す国際社会で初めての協定

2.法的拘束力をもつ

3.全ての国が参加するということ

特に3の全ての国が参加するというのは京都議定書での反省が大きく反映されています。

先進国にのみ排出削減を要求した京都議定書とは違い、パリ協定では世界中の参加国に要求されます。

しかしここに注意すべき点があります。

京都議定書は目標の達成が義務であったことに対し、パリ協定では目標の提出が義務になっています。

これがパリ協定が緩いと言われるひとつの理由です。

 目標達成のためのルール

「目標の提出だけでいいなら、達成されないんじゃないか?」

そう考えるのが妥当だと思います。

そこでパリ協定には参加国がしっかりと目標達成するようにいくつかの特徴的なルールを設けています。

1.5年ごとの目標提出

→参加国は5年ごとに目標の提出を義務付けられています。そしてこれは、そのたびに前回の目標を深堀りし、上回る目標を提出しなければなりません。

これにより、より実現可能性のある、目標を5年ごとにアップデートすることができるようになっています。

2見える化

→すべての参加国が排出削減の取り組みについて、その実施状況を、共通のルールで国連に報告し、検証を受けることになっています。

つまり、みんなでそれぞれの国を見張りあうようにルールを設け、排出削減への活動を促しています。

3途上国への資金・技術援助

→パリ協定が成立するまでに最ももめていた点は先進国vs途上国による主張のズレでした。そこで最終的には、先進国が途上国の地球にやさしい経済発展のための資金・技術援助を行うことで成立しました。
緑の気候基金(GCF)が設置され、先進国が資金を積極的に提供することになっていますが、途上国も自主的に供与しています。

気になる3つのなぜ?

・なぜ目標が曖昧?

「世界の平均気温上昇を産業革命以前と比べて、2℃より十分に低く保ち、1.5℃に抑える努力をする。」

この目標を見た時、なんか曖昧じゃないか?と思いませんでしたか?

2℃よりは低くするけど、出来れば1.5℃目指そう。

なぜこんな曖昧な目標になったかには理由があります。

それが先ほど少し述べた先進国vs途上国です。

先進国の主張は、

・地球全体の問題なんだから、全ての国が排出削減をするのが公平だ。

・もちろん積極的に排出削減していくけど、経済を衰退させるわけにはいかないし…

途上国側の主張は、

・今まで温室効果ガスを大量に排出してきたのは先進国なんだから、先進国がもっと積極的に削減すべき

・まずは国の経済発展をさせないといけないから、援助が必要

途上国には未だに安定した電気や、安全な飲み水を得られない生活をしている人がいるのが現状です。

国としてはまず経済を発展させて、生活を豊かにしたいと思うのはもちろんのことです。

そうして、この先進国vs途上国のお互いの妥協点を探って生まれたのが、この目標というわけです。
だから、出来れば1.5℃を目指そうというすこし曖昧な目標になっています。

・なぜ2℃?なぜ1.5℃?

なぜに2℃未満に抑えなければいけないか。

その理由は簡単です。

IPCCより「2℃気温が上昇するとやばい。」と報告されたからです。

気候変動による洪水、海温上昇による異常気象など数えきれない自然災害が発生することが科学的に明らかになりました。

ではなぜ1.5℃を目指すのか。

それは「2℃と1.5℃では影響がかなり違う」ことが分かったからです。

  2℃ 1.5℃
洪水のリスク(2005年までの30年間を基準に洪水に影響を受ける世界の人口) 170%増 100%増
サンゴ礁の消失 99%以上 70-90%減少
永久凍土の融解   150-250万平方キロの面積で永久凍土の融解を防ぐ

これらの理由から、理想は1.5℃だけど、まずは現実的に2℃未満にはなんとか抑えようとなりました。

・なぜ産業革命前が基準?

温室効果ガスの排出量は、産業革命をきっかけに急激に増加しました。
そして2018年の時点で既に産業革命前より、1℃上昇している事が明らかになり、そこからさらに1℃、つまり産業革命前より2℃上昇すると、とてつもない被害が起きることが明らかになりました。

これらのことから、温室効果ガスの排出量を考える際には産業革命前を基準にするようになりました。

パリ協定での日本の目標は?

日本は2013年と比べ、2030年までに26%の削減目標を提出しています。

この数字に対して、意見が分かれますが他の国々と比べると分かるように、それぞれの国で基準としている年や数値が違います。

なので一概に、「高い」「低い」ということは出来ませんが、個人的は少し高すぎて達成できないような気がします。

話題の人たちとパリ協定

トランプ大統領はなぜ離脱した?

トランプ大統領は2017年6月にパリ協定の離脱を表明し、2017年11月4日正式に離脱をしました。パリ協定からの離脱はアメリカが初めてでした。

離脱の理由は主に大統領選挙のためだと言われています。

ひとつは、パリ協定は先進国には不公平だと訴え、「アメリカファースト」を掲げ、アメリカのためにお金を使うと宣言しました。
途上国側には中国やインドの新興途上国も含まれており、それらの国の経済発展を恐れ、アメリカの経済発展を約束し票を獲得しようとしました。

もうひとつが、パリ協定成立に大きく貢献したオバマ大統領との関係です。
もともと民主党のオバマ氏と共産党のトランプ大統領は対立関係にありました。
当時から共産党支持者はオバマ氏のパリ協定への活動に反対している人が多く、そこでオバマ氏が貢献したパリ協定から離脱することによって、共産党支持者からの票を獲得を狙いました。

結局、トランプ大統領は選挙に敗れ、民主党のジョー・バイデン大統領になったアメリカは、2021年2月、パリ協定に復帰しています。

グレタさんは何に怒った?

グレタさんは2019年にニューヨークで開かれた国連気候変動サミットにて、パリ協定で具体的な目標を定めたにもかかわらず、社会の認識がまだ甘いことに檄を飛ばしました。

パリ協定で地球のために温室効果ガスの排出を削減し、脱炭素社会を目指すといったにも関わらず大人たちの云うことは全て「お金や経済のことだ」と。
このことにグレタさんは怒りました。


グレタさんの主張について詳しく知りたい方は、こちらの記事をぜひ。

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小泉環境大臣はなにを言われている?

なにかニュースなどで話題になる小泉環境大臣。

小泉環境大臣とパリ協定の関連性はCOP25にてです。

日本はCOP25にて化石賞という「温暖化対策に積極的でない国」皮肉たっぷりな賞を二度も受賞してしまっています。

主な原因は石炭火力発電です。日本は2011年の東日本大震災より原子力発電の活動を停止しています。それにより現在は石炭火力発電に頼っています。そしてこの石炭火力発電というのが温室効果ガスを大量に排出してしまうのです。

それに加え、日本は途上国への石炭火力発電の輸出を積極的に行っています。

この二つの点から日本は世界の国々から非常に厳しい視線を浴びています。

そんな中、小泉環境大臣は世界の国々に対して石炭火力発電からの脱却への具体的な策を提示できなかったことから、積極性に欠けるとして化石賞を授与されてしまいました。

まとめ

パリ協定とは

「世界の平均気温上昇を産業革命以前と比べて、2℃より十分に低く保ち、1.5℃に抑える努力をする。」を目標に掲げた、国際社会初の協定です。

正直、これさえ覚えておけば大丈夫です。
これで人からパリ協定について聞かれても余裕で答えることが出来ます。

最後までしっかり読んでくれた方ならパリ協定については完璧です。きっとニュースなどで温暖化について目にした時、自分なりの意見が持てるようになっているはずです。

私はこの意見を持つということがまず大切だと考えていて、それが行動への一歩目だと思います。

次は京都議定書とパリ協定について詳しく見てきたので、それぞれの違いを分かりやすくまとめてみたいと思います。

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