「サッカー×環境問題」
皆さんはなにか思いつくことは、ありますか?
私自身、長年サッカーをしていますが、サッカーを通じて環境問題に貢献できることはあまり思い浮かびませんでした。
そこで今回紹介していきたいのは
「Forest Green Rovers FC」です。
なんと世界で最も緑なフットボールクラブとFIFAから呼ばれ、2018年には国際連合から
「二酸化炭素排出を抑えた地球にやさしいフットボールクラブ」として公認されました。
一見関係なさそうに見えるサッカーと環境問題。
「サッカーで環境問題に貢献するにはどうすればいいの?」
今回はForest Green Rovers FCの取り組みを見ていくことによって、サッカーにできる環境問題を考えてもらえたらと思います。
☆この記事でわかること☆
- Forest Green Rovers FCについて
- サッカーチームが出来る環境問題への取り組み
FGRについて
Forest Green Rovers FC
https://www.fgr.co.uk/
イングランドのグロスターシャー州、ネイルスワースを本拠地とするサッカーチームです。
2020-21シーズンはイングランドフットボールリーグ2(4部相当)に所属しています。
4部相当のチームが今話題になっているのは、サッカーチームとしての強さからではありません。
このチームが今注目を集めているのはピッチ以外の活動からです。
2010年、クラブのオーナー変更と同時に、クラブは世界一地球にやさしいクラブへと舵をきり始めたのでした。
In 2017, FIFA described FGR as ‘the greenest football club in the world’. We’re the first and only vegan football club and the first to be certified as carbon neutral by the United Nations.
2017年FIFAは「世界で最も地球にやさしいクラブ」と私たちを称し、私たちは最初で唯一のビーガンフットボールクラブであり、国際連合からカーボンニュートラルと認定された最初のクラブでもあります。
クラブの取り組み
スタジアム
Green energy(クリーンエネルギー)
このクラブの電力はEcotricity という会社からのクリーンエネルギー100%で活動しています。
他には自ら電力をまかなうために、ソーラーパネルをスタジアムの屋根に設置したり、ソーラートラッカーをグラウンドの入口に設置しています。
Organic pitch (オーガニックピッチ)
芝はサステイナブル(持続可能)かつ、殺虫剤や除草剤はまったく使用されていません。
Electric “mow-bot” (電動芝刈り機)
GPSで制御された太陽電池式の芝刈り機で芝を整えています。
Rain water capture(雨水の回収)
雨水を回収し、水道水を使うことなくピッチに水を撒いています。
EV charge points
持続可能な炭素社会を推奨していることから、スタジアムには電気自動車の充電所が多く設定されています。
クラブに車で試合を見に来る人にも、二酸化炭素の排出を抑えてもらう為の取り組みです。
これにより2017-18シーズンから2018-19シーズンでは30%減少した報告があります。
そして現在新しいスタジアムの建設を予定しています。
著名な建築家であるザハ・ハディドさん発案の木製サッカースタジアム「Eco Park Stadium」です。
収容人数は5000人ほど、ほぼすべてがリサイクル可能な木材を使用する予定です。
ビーガン
このチームに所属する選手、スタッフ全ての人の食事をビーガン徹底しています。
スタジアム内で販売されるフードももちろんビーガンフードです。
表彰されたQパイをはじめ、培養肉バーガーなどたくさんのメニューがあります。
「なぜビーガン」
ビーガンを推奨する理由は畜産業の二酸化炭素排出が与える、環境へのダメージからです。
スポーツ選手にとってタンパク質はとても重要な栄養素であり、そのたんぱく質が豊富に含まれる肉類を取り除くのは不安が大きいかもしれません。
しかし、チームの選手たちはビーガン生活を始めてから、パフォーマンスの向上を実感しているようです。
Eco Park
先ほども少し触れましたが、クラブは現在新しいスタジアムを建設予定です。
すべてが木材で建設されるスタジアムだけでなく、スタジアムを含んだ公園Eco Park一帯には、500本の木と1.8㎞の生垣があります。
Ecotricity
Ecotricityの社長が2010年、Forest Green Rovers FCのオーナーに就任しEcotricityがメインスポンサーとなりました。
これを機にクラブは活動方針を急激に変えることとなりました。
Ecotricityは全てのオペレーションにおけるカーボンフットプリントを把握している唯一のイギリスのエネルギー会社です。
100%自然から得たエネルギーで電力を供給しています。
Devil’s Kitchen
Forest Green Rovers FCはビーガン食品を作るためにDevil’s Kitchenを設立。
イギリスの学校食や大学の学生食堂をターゲットに、年間10億食以上の提供を目指します。
Devil’s Kitchenの電力はすべてEcotricityで稼働されています。
竹のユニフォーム
ユニフォームの素材が50%竹繊維で出来ています。
そうすることでプラスチックの使用を最小限にしています。
最終的な目標は100%持続可能な自然素材で作成する事です。
Sea Shepherd
世界的な海洋野生生物の非営利保護団体 Sea Shepherd のロゴをユニホームに取り入れています。
この団体は海の生態系と種の保護を目的として、世界中の海における海洋野生生物の大量虐殺や彼らの生息環境破壊を止める活動をしています。
まとめ
Forest Green Rovers FCが環境問題に向き合うために多くの取り組みをしている事が分かりました。
まとめてみると
・スタジアムを中心とした持続可能な自然素材の使用
→100%木材、竹のユニフォーム
・二酸化炭素の排出をなくす
→100%クリーンエネルギーで電力をまかなう、電気自動車のための充電所の設置
・ビーガンの推奨
→クラブ関係者の食事、スタジアム内でビーガンフードの販売、ビーガンフードの会社設立
個人的には現役サッカー選手であることから、ビーガンフードについてはとても興味深かったです。
「肉を食べないと、筋肉がつかない」
というのは思い込みだったのかもしれません。
そして、もうひとつ。
こうしたクラブの存在意義の大切さです。
近年、社会問題に対してサッカーが持つ影響力の大きさを実感しています。
特にヨーロッパでは人種差別への抗議などが試合前によく見られます。
試合中に人種差別にあたる発言があったとして、チームがストライキを起こし試合が中断したこともありました。
つまり、社会問題を無視してはプレーすることなどあってはならないということです。
そして、環境問題もその一つであると思います。
世界でサッカーをしていくとはどういうことなのか。
そう考えた時に私は環境問題にぶつかりました。
プレイヤーとして出来ることは多くないかもしれませんが、チームとしてなら変わってきます。
それがサッカーの魅力です。
Forest Green Rovers FCのようにプレーする意義が明確であるチームが増え、世の中に与える影響を強めていければいいなと思います。
「サッカーで環境問題に貢献するにはどうすればいいの?」
今回はそんな悩みのアイデアになればと思い、Forest Green Rovers FCを紹介しました。
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